平成13年11月２日（金）初日〜26日（月）千龝楽 昼の部：11:30〜/夜の部：16:30〜 地図 主催：松竹株式会社・フジテレビジョン 後援：台東区・浅草観光連盟 お問い合わせ：03-5777-8600
知盛は<知盛編>、権太は<権太編>、忠信は<忠信編>です。

えっ！浅草で中村勘九郎が・・・歌舞伎小屋が再現される？？？ と昨年大騒ぎ大好評だった平成中村座が再びやってくる！ 「浅草い〜とこ」では今年も主催もとの松竹様にお願いをして「平成中村座歌舞伎公演」の一部始終を追っかけ取材することにしました。 公演は１１月２日から２６日まで、昼夜２回、全部で４８公演で、隅田公園内の特設歌舞伎小屋にて行うというもの。 演ずる役者連も豪華なら江戸時代さながらに再現された芝居小屋での公演も魅力的で、考えるだけでもワクワクしてきます。 松竹様との特別提携のもと、地元の利を活かして「浅草い〜とこ」ならではの視点から 「平成中村座公演」の魅力を余すところなく隅から隅までズズーイと紹介していきます。 もちろん歌舞伎の初心者の方にも楽しんでいただけるようにやさしい解説にも心がけるつもりです。 また、松竹様から特別に「浅草い〜とこ」の読者の皆様に公演チケットのプレゼントまでいただきました。

Pａｒｔ１：平成中村座概要

平成中村座の由来・演目「義経千本桜」あらすじ・主要出演者紹介他

Pａｒｔ２：懸賞当選者の鑑賞コメント

懸賞コーナーで当選された３名の方からのホットなコメントが寄せられました。

Pａｒｔ３：松竹の方に聞きました！

平成中村座を支える松竹の方からいろんな話しを伺いました。

Pａｒｔ４：「義経千本桜」解説

演目の見所

【知盛編】 能の「船弁慶」では、大物浦で義経が知盛の亡霊に襲われるという物語が作られましたが、「千本桜」では、「生きていた平家の三武将」という趣向を生かし、〜ただの庶民とみえたものが、実は歴史上の有名人物だった〜　〜壇ノ浦の合戦における、平家滅亡のさま〜など、意外性に満ちた展開や、劇的効果を生んでいます。 「渡海屋」では、知盛の平家の公達らしい気品と、勇壮な武将の覚悟がみものです。 前半の、船宿の夫婦に身をやつしている、知盛と典待局（すけのつぼね）はしばしに本性をうかがわせる演技の兼ね合いや、後半の漂う白装束に身を固めた知盛の名乗り、出陣の覚悟など、緊迫した局面が続きます。 「奥座敷」は、至難な演技を要求される、局の見せ場。 知盛より身分が上という、典待局との位取りの大きさや、歌舞伎の女形ではあまりない、十二単を着る役など。 前に三枚目風の演技をみせているだけに、悲槍感が引き立ちます。 平家の為にこの世の地獄の苦しみを味わった、幼帝の痛ましい身の上を語っている、「大物浦」。 深傷を負いながらも、獅子奮迅の戦いを見せ、最後、岩山から、まっ逆さまに落ちていきます。 弱っていく肉体と逆に、昴ぶっていく精神の表現がみどころです。 【権太編】 「権太編」では、名もない市井のいがみの権太が主人公です。 平家の公達・平これもりが出家にいたるまでの物語ですが、権太を一編の主役に仕立てることで、江戸時代の庶民の実感や、真の人間的な感情を、現代の私達にも、痛感できるようにつくられています。 「椎の木」では、落人の詫びしい姿と、世をすねたならずものが、束の間の家族のぬくもりにふれるひとときが、「小金吾討死」（こきんごうちじに）では、まだ前髪の若者が、死んでいく哀れさが、胸を打ちます。 眼目の「すしや」では、（権太の演じかたにも、原作どうりの関西系のやりかたと 江戸系の演出の二通りあるようですが・・・）江戸系の演出で、写実と様式美の絶妙な兼ね合いがみられます。 周囲の役もよく描かれていますが、なかでも、これもりは、このドラマの一方の要ともいうべき、重要な役です。 【忠信編】 「忠信編」として上演される、「動行」と「川連法眼館」は、「義経千本桜」全編を通じて、ロマンの香気の高いくだりといえるでしょう。 しかし、これは只のメルヘンではなく、狐が体現してみせる、肉親同士のいがみあいや、争いを続ける人間に対する、痛烈な風刺となっているのです。 長編の中の、息抜きとして挿入された、「道行」踊りとしても、ここが一番のみどころで、しんみりとした思いの漂う踊りや、音楽の楽しさ、美しさを、理屈抜きに味わえます。 アクロバット風の演出や、同じ役者が、人間の忠信と狐の忠信の、二役を演じ分けるところなどが見所の、「川連法眼館」子狐の気持ちを、いかに伝え、見物を泣かすか、義経、静を交えた、三者の交流をいかに伝え、心暖まるものにするか、役者の腕の見せどころになります。

Pａｒｔ５：公演鑑賞レポート

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