2014新春浅草歌舞伎

お正月は浅草で…
華やかな雰囲気で満たされる
「新春浅草歌舞伎」

浅草公会堂にて

平成26年1月2日(木)初日~26日(日)千穐楽
第1部 午前11時開演  第2部 午後3時30分開演

2014新春浅草歌舞伎

■ 公演スケジュール ■

新春浅草歌舞伎(表)

■ 演目と配役 ■

演目と配役

■ 演目紹介(あらすじ) ■

第1部(午前11時開演)
一、義賢最期(よしかたさいご)
 平家全盛の時代。源義朝が敗死した後、平家方に味方した弟の木曽義賢は病で館に引き籠っていました。その館に、百姓九郎助が娘の小万とあらわれ、小万の夫である奴折平の暇乞いを願い出ます。しかし、今では娘の待宵姫と恋仲となっている折平を源氏の武将多田蔵人と見抜いていた義賢は、源氏再興の志を明かします。そこへ、平清盛の使者が白旗詮議にあらわれ、潔白ならば義朝の髑髏を足で踏むよう迫ります。耐えかねた義賢は使者を成敗。平家方の軍勢が館を取り囲む中、死を覚悟した義賢は、懐妊中の妻葵御前と九郎助親子に白旗を託すと、軍勢を相手に奮戦し、壮絶な最期を遂げるのでした。
 愛之助が魅せる仏倒しなどの凄愴な迫力の立廻りが見どころの義太夫狂言の名作にご期待下さい。
二、上州土産百両首(じょうしゅうみやげひゃくりょうくび)
 十五年ぶりに幼な友達と会った、板場の正太郎。すりは一種の芸だと信じ込んでいる生粋のすり師です。今日も牙次郎のふところから無意識に財布をすり取ったのですが、気がつくと、昔と変わらずドジだと思っていた相手に自分もやられていました。訪ねてきた牙次郎から、改心して地道な職業につこうと説かれ、同意した正太郎は、十年目の今月今夜ここ浅草待乳山聖天で会おうと約束して、二人は別れます。月日の経つ間の二人の暮らしは?再会した二人はどうしたでしょう。
 猿翁(三代目猿之助)も演じた正太郎を、当代猿之助が本興行で初めて勤めます。
第2部(午後3時30分開演)
一、博奕十王(ばくちじゅうおう)
 舞台は冥土、六道の辻。近頃は娑婆の人間が賢くなり、誰も彼も仏の教えを頼って極楽へ行ってしまうので地獄は飢饉に陥っています。業を煮やした閻魔大王は自ら六道の辻まで出かけて行き、罪人がきたら攻め落とそうと、獄卒を率いて待ち構えていました。
 そこへ遙々やってきたのは、娑婆で評判の博奕打。早速大王は裁きにかけようとしますが・・・。
昭和45年(1970)に猿翁(三代目猿之助)の自主公演で初演され、当代猿之助は平成23年(2011)の自主公演でおよそ40年ぶりに復活上演いたしました。
二、新口村(にのくちむら)
 大坂淡路町飛脚問屋の忠兵衛は、遊女梅川を身請けするために商売の金に手を付け、追われる身となり、梅川とともに生まれ故郷の大和の新口村に辿り着きます。罪人ゆえ身を隠す忠兵衛とその父孫右衛門の間を梅川が取り持ち、父子の再会がかなったのもつかの間、追手が迫ります。親子最期の対面を惜しみながら、二人は降りしきる雪の中を消えて行くのでした。
 死にゆく男女の悲恋と親子の情愛を描いた上方和事の名作をたっぷりとお楽しみ下さい。
三、(上)屋敷娘(やしきむすめ)
 屋敷奉公をしているお春とお梅とお蝶が、宿下がりの帰り道で、恋の話をしながら艶やかに踊ります。華やかな舞踊の競演をご覧下さい。
     (下)石橋(しゃっきょう)
 唐の国、清涼山の石橋に、文殊菩薩の遣わしめである獅子の精が、忽然と姿を現します。壮麗に舞う獅子の姿をご堪能下さい。

また、毎年恒例となっております、お年玉〈年始ご挨拶〉にもご期待いただき、新年で賑わう浅草の街で、次代を担う若手の公演をお見逃しなきよう、皆さま是非劇場へお越しください!


■ 出演者プロフィール ■

市川 猿之助 (いちかわ えんのすけ)
 【屋号:澤瀉屋】
市川段四郎の長男。55年7月歌舞伎座『義経千本桜』安徳帝で初お目見得。58年歌舞伎座『御目見得太閤記』禿たよりで二代目市川亀治郎を名のり初舞台。平成24年6・7月新橋演舞場 『ヤマトタケル』の小碓命後にヤマトタケルほかで四代目市川 猿之助を襲名。
片岡 愛之助 (かたおか あいのすけ)
 【屋号:松嶋屋】
昭和47年3月4日生まれ。56年12月、十三代目片岡仁左衛門の部屋子となり、南座『勧進帳』太刀持で片岡千代丸を名のり初舞台。平成4年1月、片岡秀太郎の養子となり、大阪・中座『勧進帳』駿河次郎ほかで六代目片岡愛之助を襲名。
市川 男女蔵 (いちかわ おめぞう)
 【屋号:滝野屋】
昭和42年10月9日生まれ。四代目市川左團次の長男。48年1月歌舞伎座『酒屋』の娘おつうで本名で初お目見得。49年2月歌舞伎座『たぬき』の伜梅吉ほかで六代目市川男寅を名のり初舞台。平成15年5月歌舞伎座『暫』の成田五郎ほかで六代目市川男女蔵を襲名。
中村 亀鶴 (なかむら きかく)
 【屋号:八幡屋】
昭和47年6月18日生まれ。初代中村亀鶴の長男。父方の祖父は四代目中村富十郎、祖母は初代中村鴈治郎の娘の中村芳子。51年12月南座『時雨の炬燵』伜勘太郎で本名で初舞台。平成2年国立劇場第十期歌舞伎俳優研修修了。3年1月伯父の中村富十郎門下となり、中村芳彦を名のる。5年4月富十郎の部屋子となる。13年11月歌舞伎座にて『戻駕色相肩』の禿で二代目中村亀鶴を襲名。21年11月より坂田藤十郎一門となる。
中村 歌昇 (なかむら かしょう)
 【屋号:播磨屋】
平成元年5月6日生まれ。中村又五郎の長男。6年6月歌舞伎座〈四代目中村時蔵三十三回忌追善〉の『道行旅路の嫁入』の旅の若者で中村種太郎を名のり初舞台。23年9月新橋演舞場の『舌出三番叟』の千歳、『車引』杉王丸ほかで四代目中村歌昇を襲名。
坂東 巳之助 (ばんどう みのすけ)
 【屋号:大和屋】
平成元年9月16日生まれ。坂東三津五郎の長男。3年9月歌舞伎座〈八代目坂東三津五郎十七回忌追善狂言〉の『傀儡師』の唐子で初お目見得。7年11月歌舞伎座『蘭平物狂』の繁蔵と『壽靭猿』の小猿で二代目坂東巳之助を襲名し初舞台。
中村 壱太郎 (なかむら かずたろう)
 【屋号:成駒屋】
平成2年8月3日生まれ。中村翫雀の長男。祖父は坂田藤十郎。母は吾妻徳彌。3年11月南座『廓文章』手代壱太郎で本名で初お目見得。7年1月大阪中座『嫗山姥』の一子公時で初代中村壱太郎を名のり初舞台。
中村 種之助 (なかむら たねのすけ)
 【屋号:播磨屋】
平成5年2月22日生まれ。中村又五郎の次男。11年2月歌舞伎座『盛綱陣屋』の小三郎で初代中村種之助を名のり初舞台。
中村 米吉 (なかむら よねきち)
 【屋号:播磨屋】
平成5年3月8日生まれ。中村歌六の長男。12年7月歌舞伎座『宇和島騒動』の武右衛門倅武之助で五代目中村米吉を襲名し初舞台。
中村 隼人 (なかむら はやと)
 【屋号:萬屋】
平成5年11月30日生まれ。中村錦之助の長男。14年2月歌舞伎座『寺子屋』の松王丸一子小太郎で初代中村隼人を名のり初舞台。
市川 弘太郎 (いちかわ こうたろう)
 【屋号:澤瀉屋】
昭和58年生まれ。平成5年8月、国立劇場〈市川右近の会〉『勧進帳』の太刀持を本名でつとめ初舞台。7年7月市川猿之助(現・猿翁)の部屋子となり『小猿七之助』の日吉丸で市川弘太郎を名のる。
中村 梅丸 (なかむら うめまる)
 【屋号:高砂屋】
平成8年9月12日生まれ。17年1月国立劇場『御ひいき勧進帳』富樫の小姓で子役として本名で出演。18年4月歌舞伎座『沓手鳥孤城落月』小姓神矢新吾、『関八州繋馬』里の子竹吉で中村梅丸を名のり部屋子披露。
市川 寿猿 (いちかわ じゅえん)
 【屋号:澤瀉屋】
昭和5年5月20日生まれ。11年に女歌舞伎の坂東勝治に入門。翌年坂東小鶴を名のり小石川小劇場の『義経千本桜』安徳帝で初舞台。25年4月三代目市川段四郎に入門し市川段三郎と改名。30年1月二代目市川猿之助(猿翁)に入門、市川喜太郎と改名。32年4月歌舞伎座『血笑記』の伊与田大三郎で四代目市川喜猿を襲名し名題昇進。50年7月歌舞伎座『橋弁慶』の従者ほかで二代目市川寿猿を襲名。平成12年7月歌舞伎座で幹部昇進。
嵐 橘三郎 (あらし きつさぶろう)
 【屋号:伊丹屋】
昭和19年生まれ。38年3月四代目坂東鶴之助(五代目中村富十郎)に入門、坂東鶴吉を名のり大阪新歌舞伎座『花の生涯』の侍で初舞台。坂東竹四郎、中村富太郎を経て、52年10月新橋演舞場で六代目嵐橘三郎を襲名し名題昇進。平成25年11月歌舞伎座『仮名手本忠臣蔵』斧九太夫で幹部昇進。
上村 吉弥 (かみむら きちや)
 【屋号:美吉屋】
昭和30年4月27日生まれ。48年8月片岡我當に入門し、同年10月大阪新歌舞伎座『新吾十番勝負』の寛永寺の僧ほかで片岡千次郎を名のり初舞台。62年名題披露。平成5年11月南座『草摺引』の舞鶴ほかで六代目上村吉弥を襲名。
市川 門之助 (いちかわ もんのすけ)
 【屋号:瀧乃屋】
昭和34年9月24日生まれ。七代目市川門之助の長男。44年2月歌舞伎座『義経千本桜』鮓屋の六代君ほかで二代目市川小米を名のり初舞台。平成2年12月歌舞伎座『義経千本桜』四の切の義経で八代目市川門之助を襲名し名題昇進。

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