トップへ トップ > 特集 > 平成中村座歌舞伎公演『法界坊』
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Part1:平成中村座概要
平成中村座の由来・演目「法界坊」あらすじ・主要出演者紹介他
Part2:歌舞伎鑑賞入門
歌舞伎の歴史・用語解説・面白さ
Part3:芝居小屋ができるまで
江戸時代の小屋・浅草の小屋・平成中村座の小屋ができるまで・小屋にかける職人魂
Part4:「法界坊」解説
演目の歴史・見所・音楽他
Part5:公演鑑賞レポート
Part6:平成中村座番外編

Part3
小屋ができるまで

10月26日、松竹さんの特別な計らいで内覧会を見せていただきました。
さて、中に入れていただくのは、この日で実は3回目。
皆さんに小屋ができていく様子を紹介するべく写真に収めていました。

写真
10月の初めから始まった工事を
少しずつ撮ってました。
初めは、鉄筋の骨だけで
どんな感じでできるのか?
想像の世界でした。

10/26の内覧会で撮らせていただきました。
巨大提灯が素晴らしい!
中村勘九郎さんもいらっしゃって、
お客様が近い素晴らしい小屋と
おっしゃってました。

小屋全体はビニールテント張り。
舞台の前は畳の桟敷席。
舞台を囲むように2階席もあり合計784席。
舞台の幕の内側、上手・下手の上にも席がある。
その席では、舞台準備や芝居前が見えます。
舞台は、間口45尺、奥行き30尺。
天井の高さは、最後部12m
楽屋は、劇場に向かって左側に設置。
入り口は、江戸時代の劇場風。

写真

まだ席もない状態から見せていただいていました。
2度目に中に入れていただいた時もまだ内装ができていない状態で、
「これで間に合うのかな?」と思っていたら…
内覧会では、素晴らしいことになっていました。

マスコミ取材陣が大勢かけつける中、中に入れていただくと早速カメラと人だかり。
「誰が来てるんですか?」「中村勘九郎さんですよ!」。いよーっ待ってました!とばかりに人垣の中へ飛び込んだのです。
この公演や小屋について勘九郎さんが「感謝、感謝」とお話しされてました。
小屋の出来栄えに大そうご満悦のご様子で、始終にこやかな表情。話が昨今の芸能界の話題まで飛んでしまうことも。
勘九郎さんからフシギなオーラを感じました。
やはり大スターは違いますね。
直に勘九郎さんを拝見できただけでも大満足。
これも「浅草い〜とこ」取材の役得と感激覚めやらぬひとときでした。

中に入ると特に目を引くのが「大きい中村座の文字の提灯」。
まわりにある赤いたくさんの提灯。
定式幕も目を引きます。勘九郎さんも「いいね〜」と誉めていらっしゃいました。
すっぽん(江戸時代と同じ、手回しで操作する花道の中にある仕掛け)も見せていただき、
サービス精神旺盛な勘九郎さんでした。

内覧会が終わって、小屋の外に出てみるとなんと人力車と車夫がずらりと勢ぞろい。
そうです、われらが時代屋が公演に協力して華を添えたのでした。
勘九郎さんも早速「これはいい!!」を連発しながら人力車に乗られました。
車夫さんも大感激で緊張しまくったと言っていました。
小屋といい人力車といい、なんともノスタルジックな雰囲気がたまらない内覧会でした。

この素晴らしい小屋を建てられた方に直撃インタビューです!
今回、大道具を担当している金井大道具(株)常務取締役 企画室長さん、金井さんにお話しを伺いました。

Q:金井さんは歌舞伎の舞台を主にお仕事でされているのですか?
舞台を主にやっていますが、歌舞伎のみではありません。舞台全般をやります。
スーパー歌舞伎、コクーンなどもやりました。
Q:金井さんは学校を卒業後、すぐこのお仕事をされてるんですか?
2年間、アメリカで舞台美術を勉強後、金井大道具(株)にて勤務。
Q:工程をざっと教えてください。
20日までに内装が完了で、28日〜稽古が始まるそうです。
Q:意気込み&大変なことあったら教えてください。
本来の歌舞伎にとらわれずに制作することを心がけています。
今回のこの仕事は、監督さんの方向も古典は守り、でもとらわれないところは自由に、を基本ベースでやっていますので、荒木さんのチラシを見ていただいたらわかると思います。大変は大変ですが、楽しいです。
Q:後世に伝えたいものはありますか?
後世に伝えたいものはありません。
見たい人が見て、楽しめばいいと思います。
歌舞伎だから…という固定概念は、なしでいきたいのです。

小屋セットすべてがばらして組みたてられるように作られていて、いろんなところでの公演も考えているとのこと。

写真
時代屋の人力車も出て、華を添えさせていただきました。
公演期間中、毎日、人力車は出ますのでご利用ください。

本番が待ち遠しいです…
江戸時代の芝居見物のように弁当を食べながら観てもいいそうですよ。

地図

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